三井住友フィナンシャルグループと三井住友トラストホールディングスの違いは?

こんにちは。HANAです。皆さんは,三井住友の名前を聞いたことがあるはずです。

三大財閥の「三井」と「住友」の名前が持ちますが,色々と複雑な部分があります。

 

業界search.comによりますと、銀行業界の総資産ランキング(2021-2022年)では、

1位は三菱UFJフィナンシャルグループ、2位は三井住友フィナンシャルグループ

3位にみずほフィナンシャルグループ。続いて4位はゆうちょ銀行、5位はりそな

ホールディングス、6位に三井住友トラストホールディングスとなっています。

今回は銀行業界トップの中で“同じグループではなかったのですか?” と関心が多く

集まっていた「三井住友フィナンシャルグループ」と「三井住友トラストホール

ディングス」の違いについて説明します。

そもそも「三井住友フィナンシャルグループ」と「三井住友トラストホールディン

グス」の間には資本関係はありません。

まず「三井住友フィナンシャルグループ」は三井銀行住友銀行を筆頭に複数の銀行

と合併を重ね、メガバンクに成長しました。主に個人向け資産運用ビジネスや法人向け

不動産ビジネスなどを主体とし、証券代行業務は手掛けてきませんでした。次に「三井

住友トラストホールディングス」は住友信託銀行三井信託銀行を筆頭に複数の信託

銀行と合併を重ね、巨大信託の持ち株会社となりました。三井住友信託銀行証券代行

業務において国内でも4割以上のシェアを持つ最大手になります。

 

二社間につながりはないとは言え、「三井住友」と言う同じ名前の冠を持つ者同士は

けん制し合っていました。「三井住友フィナンシャルグループ」は2013年に「SMBC

信託銀行」を発足。肝心の証券代行業務への参入については、三井住友信託銀行への

遠慮やライバルとしては大きすぎると言う判断から思い止まっていたようです。

しかしながら、ここにきて二社間の雲行きが怪しくなっています。「三井住友フィナ

ンシャルグループ」の「SMBC信託銀行」は2021年3月期まで8期連続で最終赤字。

さらに2020年3月期にはシティから買収した個人富裕層向けビジネスの、のれん代金の

ほぼ全額(約400億円)を減損処理することになりました。ちなみにシティから個人

富裕層向けビジネスの買収を主導したのは、当時三井住友銀行取締役兼執行役員

“車谷 暢昭”氏でした。こうして振るわぬ業績を立て直すには、証券代行業務に本格参入

しかないと考えていました。

 

2020年7月に「三井住友トラストホールディングス」の「三井住友信託銀行」の大失態

が発覚。東芝株主総会の事務を受託していた「三井住友信託銀行」が不適切な処理を

行って世間より厳しい批判を浴びました。

 

三井住友フィナンシャルグループ」はこれを好機と捉え、三井住友銀行が「SMBC

託銀行」の全面バックアップに入ります。これまでは、三井住友銀行の営業が新規

上場企業の証券代行業務をやむなく「三井住友トラストホールディングス」の「三井

住友信託銀行」に紹介してきました。これからは「SMBC信託銀行」に紹介すること

で、三井住友銀行の営業マンに大きな紹介料が入ってくる予定です。積極的に顧客紹介

に奔走すると見込んでいます。

 

これまで色違いの二社が各々の路線を歩んで来ましたが、将来的もしかすると“統合”の

可能性も否めません。今後の二社に目が話せません。